園での生活を見てみよう!

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園長だより「劇と劇遊びの違い―②」

前回の園長だよりで、中山台幼稚園の生活発表会は「劇遊び」をすること、「劇遊び」は「ごっこ遊び」の
延長にあるもの、そして「ごっこ遊び」は幼児期の子どもにとって、非常に大事な遊びであることを紹介しました。

中山台幼稚園の「生活発表会」で行う「劇遊び」は、先生からの指示だけで動くお仕着的で、派手な衣装を
身に纏った見世物的な劇ではなく、子どもたちに絵本や物語を読み聞かせ、そこに登場する人や動物、昆虫、
植物になりたい、時には風や嵐にもなり、その役を演じたいという思いを大切にして、その思いが自然な形で
演技に現れることを目指したものです。子どもの自発的な思いを演じるところが、まさに「ごっこ遊び」の延長です。

またもや私事で恐縮ですが、昨年、私の孫(当時年長の女児)が通っている幼稚園の発表会に行きました。
ドラえもんの冒険のようなストーリーの劇で、孫は海賊の手下その③的な役柄でした。そのことはともかく、
全員が豪華な衣装を着ているので、それなりに見栄えもするし可愛らしいのですが、何か物足りなさを感じました。

普通の劇は、発表会やお遊戯会のような特別の日に、お客様の前で見せるもの、何日も練習して仕上げなければ
いけないもの、衣装や舞台装置まで見栄えのするように飾るものといった「よそゆきの観念」にどうしても縛られ
てしまいますが、幼児教育は特に、何かが上手に出来たかどうかという行為の出来栄えの良し悪しを値踏みする
ものではなく、その行為に向かっていく子どもの心身のありようを大事にすると言われています。そして一番大切な
ことは、その行為を子どもたちが楽しんでいるかどうかです。

  

中山台幼稚園の「生活発表会」でする「劇遊び」は、そのクラスに合う物語を担任が選び、何度も読み聞かせを
します。子どもたちは頭の中でそのファンタジーの世界を空想し、この役をやってみたい、こんなふうに身振り
をしたと自発的、主体的に思います。朝の自由遊びの時に、教室に置いている大型の積み木を使って、先生から
言われることなく、自分たちでその物語の世界を作り遊びことがよくあります。これは私の「バスの運転手さん
ごっこ」よりはるかに高尚ですが、根っこは同じことだと思います。