園での生活を見てみよう!

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園長だより「AI時代の教育」

私が子どもの頃(50年以上前)にあって、今は少なくなった、あるいはなくなったお店や職業はかなり
あります。例えば、昔はお米屋さんや酒屋さんなどの食料を扱うお店や燃料(まきや練炭や灯油)を扱う
お店がたくさんあり、御用聞きと言って、定期的(週1回程度)に家々を回り、注文を取って配達をして
くれました。今はスーパーができ、車社会になり、また燃料も電機やガスに変わりましたので、
そういったお店や職業は本当に少なくなりました。

そんな時代を経験してきた私のようなアナログ人間には、人工知能(AI)がどのように社会を変え
ていくか想像することは難しいですが、間違いなく私の予想を遥に超える変化が、あらゆる部分にも
たらされることと思います。例えば、職業においては、「正確性を要求される」職業や、「単純作業・
マニュアル化しやすい」、「システム化することで計算、算出できる」ような職業はなくなる可能性が
高いと言われています。

しかし一方、AIには不得意な「新しいコンセプトやアイデア、デザインを考える」、「人と人との
複雑なコミュニケーションによって、意識に働きかけて人を動かす」、「人が感じる課題と向き合い、
不便・不満などを解決・解消する」といった分野の職業は、これからも益々重要になります。

今年度に改訂された「幼稚園教育要領」は、これまでのものと大きな違いはありませんが、今回の
改定のポイントは、完成や正解を目指して保育者が子どもたちに手順を示してやるのではなく、
子どもたちが自分で考えやってみること、失敗を恐れずに試行錯誤させることで、子どもの発達に
応じた好奇心や探求心を育てることを重視しています。好奇心や探求心はAIにはないもので、
新しいコンセプトやアイデアも好奇心や探求心があってこそ生まれるものでしょう。

また、AI時代に人に残る仕事は対人要素が主になると言われています。その際、今以上に外向性や
協調性、人の心のひだに触れ気持ちを汲めることが益々大事になってきます。来るべき「AI時代」に
備え、教育に携わる者としてこれらのことを心しておきたいと思います。