園での生活を見てみよう!

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園長だより「学力の経済学」

昨日(6月3日)学園講堂で、「学力の経済学」を書かれた慶応義塾大学の教育経済学者の中村牧子先生
の講演会がありました。 尚、「学力の経済学」という本は、2年半くらい前にこの「園長だより」でも
紹介しましたが、この分野の本としては異例の30万冊が売れたそうで、中室先生のお話しも大変興味深く
面白かったので、その要旨を簡単ですが紹介させていただきます。

・日本では、知識人も政治家も自分の経験に基づいて教育論を語る人は多いが、アメリカでは大規模な
データを用いて、教育を経済学的に分析して、有効な施策に教育予算が投入されている。

・日本では、子どもの成長のためには、小学校より中学校、中学校より高校と年齢が上がるほど教育に
お金を使うべきと思われがちだが、アメリカで行われた長期的な研究データからの結論では、幼少期に
一番投資すべきと言われている。 

・また、幼少期の子どもたちにどんな教育をすべきかについて、所謂読み書きそろばん等の認知能力を
鍛えるより、自制心ややり抜く能力等の非認知能力を育てることが重要である。その理由は、幼少期に
非認知能力を鍛えられた子どもとそうでない子どもを比較した追跡調査の結果、その後の学力や学歴、
大人になっての収入に明らかな差があったとのこと。

以下、私の感想です。非認知能力の大切さについては、この園長だよりでも何度かお伝えしてきましたが、
日本の幼稚園で行われている保育は、まさにこの非認知能力を高めるためのものです。また、ご家庭での躾も
この非認知能力を育てるものです。子どもたちの非認知能力を高める方法は、何も特別なことをするものでは
ありません。きちんとした挨拶が出来ること。守らなければならないルールを守ること。人の嫌がることは
しないこと。先生やお父さん、お母さんの話しをしっかり聞くこと。日常の生活で行われる当たり前のことを
当たり前に出来るようにすることです。そのことを改めて認識した大変有意義な講演会でした。